夜尿症(おねしょ)

夜尿症とは

夜尿症とは「5歳を過ぎても月1回以上の頻度で、睡眠中の尿失禁が3か月以上つづくもの」と日本泌尿器学会で定義されています。 ストレスが原因の場合も多く、改善ガイドラインには小児科漢方薬やストレステスト・アラーム療法をしますが、高校生や成人でも0.5%は夜尿の人がいるとれています。

夜尿症の3つのタイプ

  • (1) 骨盤と背骨のユガミ(側弯)から、膀胱へ行く神経圧迫による場合
  • (2) 精神的な場合
  • (3) (1)と(2)の複合タイプ【神経圧迫+精神的なもの】

があります。

1、膀胱神経性の夜尿症

(1)の夜尿症の原因は、膀胱への神経圧迫(背骨のずれ)によるものであり、施術で改善可能です。

親は来院して
「子供達は夜オシッコを我慢すことを覚えなければならない」
「夜寝る前,4時間は飲みものを取らないよう」
「数時間毎に子供を起こし、トイレに連れて行きなさいと言われた」
と医師に言われたといいます。

(1)の神経圧迫について、膀胱は2つの神経系が支配しています。

1つは随意神経系(運動性)で、この神経は私たちが制御することができます。

この神経系のおかげで私たちは、意のままに腕を上げ、足で蹴り、飲み下し、便意が生じたときはつも排尿(排便)することができます。この神経系は、私たちが目覚めている間中働いていす。目覚めている間におしっこを漏らしてしまうのはほとんどありませんよね。

もう1つの神経系は、自律神経系(不随意神経系)です。
この神経系は、毎日24時間、私たちが寝ていようが起きていようが働いています。
この神経系は心臓を鼓動させ、食物の消化を助け、拡張/収縮させます。

また寝ている間、膀胱活約筋を制御します。

したがって母親も子供も、寝ている問の膀胱には事実上何も働きかけることができないのです。

多くの場合、夜尿症の原因は膀胱への神経圧迫によるものであり、神経の圧迫が膀胱の制御筋(括約筋と圧迫筋)への働きを低下させる原因となるのです。

私(院長)自身、小学生の時から下痢がひどく、腹巻をして学校へ通っていました。
中学生の時は、久留米医大でお尻からカメラを入れて検査もしましたが、腸自体には問題がなく、大学生になってL4.L5間の椎間板ヘルニアの治療を受けて大腸への神経圧迫がとれてから下痢がなくなった経緯があります。

2、精神的夜尿症 (1)~(4)

(1)精神的夜尿症については、親の会話の中でよく発見されます。
子供の前でおねしょのことを「失敗」と呼び、来院したときは「またダメでした」と否定語を使います。
親はおねしょをしなかった日に子供をほめることが大事です。
「今日はおねしょしなくてよかったね」と。

(2)子供は第1子のことが多く、
「あなたはいちばん大きいのだからもっとしっかりしなきゃ」
「あなたがいちばん大きいのだから弟や妹の世話をしなきゃ」
「あなたがいちばん大きいのだから、手伝ってちょうだい」
と言われて絶えずイライラしています。

事実、「いちばん大きいのだから」という言葉が条件反射を誘い出し、子供は自動的に尿を漏らすのであるとの文献もあります。

この場合は小言を言わずほめてあげてください。
兄弟がいれば上の子のほうに関心を置いてあげてください。

(3)両親のどちらかが「おねしょをよくしていた」等も遺伝的に関係しますので、その場合は気長に様子を見る必要もあります。

(4)多くの場合、けんかの絶えない両親、または離婚した両親が問題となります。

いずれにしても何歳までに「おねしょ」がなくならないといけないかという決まりはどこにもありません。

タイプを診断し、治療方法を決めます。

施術は

  • ソフトブロックで骨盤を調整します。
  • アクティベーターで、膀胱へ行く神経の通りをよくします。
  • 上部頸椎で、脳幹の働きをよくします。
  • 内臓施術で、直接膀胱を柔らかくします。
  • シンアツシンで膀胱系の経絡を刺激します。

改善のための体操は

  • ふくらはぎストレッチ
  • ひざ抱え(ゆらゆら)

来院回数と来院間隔は

来院回数は普通は2~6回の施術で3分の2のお子さんの夜尿症の問題が解決します。

来院間隔は、2回目の来院が初回の2・3日後がベストです。予定通りの改善が得られている場合の来院間隔は

週に1回、さらに2週間に1回、その後3週間に1回、そして1か月に1回という感じです。その後は8~12週間に1回の間隔で状態を維持させることになります。

5・6回の施術で改善が見られない場合は、施術を中断し、精神的な面を改善するよう指示します。

お父さんお母さんへお願い

怒らない

おねしょをした子は、心の中で「しまった」と思っているものです。
怒られてしまっては、本人の不安が増すばかりです。
怒っても治るものではありません。
家族みんなが、自分を暖かく見守ってくれているんだという安心感が大切です。
怒ると心の傷が大きくなります。

起こさない

発育ざかりの子どもは深い睡眠をとっているのが当たり前です。 成長発育には深い睡眠が欠かせません。 夜中に無理やり起こしておしっこをさせるのは、あまりよい方法ではありません。
無理矢理起こすと、抗利尿ホルモン薬の分泌が低下して、かえって治りにくくなります。

姿勢を見守る

生活習慣での悪い姿勢は、やさしく注意してあげてください。

追伸

5歳では7~8人に1人、10歳でも20~30人に1人はおねしょをします。
大きくなるにつれて自然に治るので、あせらずに。
それでも気になるときは遠慮なくお電話ご相談ください。

せっかくここまで読まれたので、試しに一度施術を受けてみられることをおすすまします。

そして一度治療を受けて、良かったと思ったら、骨盤が安定する5・6回は、続けて通ってください。