五十肩・四十肩
こんな人は五十肩・四十肩!
- 昔から腰痛や肩こりがあったが、特に治療した事もなかった。
- 腕が挙げずらく感じていたら、あるとき激痛で腕が動かせなくなり、夜も寝返りするたびに激痛で目が覚める。
- 治るのに1年はかかると言われ、友達には「放っとけば自然に治るよ」と言われたが、何の改善もなく半年が過ぎようとしている。
五十肩とは
正式には『肩関節周囲炎』と言い、腕を挙げたり回したりで痛み、特に原因が思い当たらないのに突然の痛みで夜も眠れなくなり、寝返りのたびに目が開き、服を着替える事が非常に困難で日常生活に悪影響が出ます。
『五十肩なんて放っとけば治るよ』とか『痛くても我慢して運動するといいよ』
と言う人がいますが、『痛くなくなったのに、なぜかまだ腕が挙らない』など、判断を間違えると 後遺症を残す事があります。
そうなってしまうと回復は難しくなります。
肩の関節はすべて関節の中で可動域が一番大きい関節です。
肩甲骨や鎖骨、胸骨、上腕骨、肩甲骨と肋骨、それらを動かす筋肉のバランスなど【関節、筋肉、靱帯】の関係が正常でなければ、どこかしらに負担がかかります。
五十肩も肩こり、腰痛、膝痛等と同じでカラダ全体のバランスが悪くなると出やすくなる症状です。
五十肩(肩関節周囲炎)の原因
①からだのユガミ
骨盤のユガミにより背骨がゆがみ、肩の高さに違いがでてきて、筋肉のバランスと血流が悪くなります。
骨盤のユガミは背骨のユガミ(側弯)を引き起こし肩まわりの筋肉のバランスを崩します。
側弯により身体の重心の位置がずれると、人はまっすぐ立っていることが出来なくなります。
そのために、肩の高さや頭の位置、場合によっては顎の位置を変えることにより無意識にバランスを取ろうとします。
このことが五十肩の原因になります。
五十肩になったら身体の歪みが重大である証です。
50肩になってから時間が経過すればするほど治りずらい状態になります。
腕が挙らない、回らない状態が長いということは、その動作をする筋肉が長い状態使われていないということです。
筋肉は使わなければ弱くなります。そこだけ見ても既にマイナスでしかありません。
②不良姿勢(猫背等)
姿勢が悪いと、首は上下左右に動きづらく、腕は挙げづらくなります。
試しに「わざと不良姿勢を作って」みてください。
姿勢が悪いと首や腕が動かしづらいのがわかると思います。
姿勢が悪いと背部、胸部の筋肉が引っ張られたり、短くなったりします。
その結果ハリやコリが出るようになります。
肩に限った話をしますと、筋肉はバランスを取ろうと無理をさせられていますから、過剰に牽引されたり、短くなったりします。
すると、筋肉内部の血管にも影響しますから血行不良を起こします。
肩の関節は元々丈夫ではありません。「肩がはずれた」など良く聞く部位です。要はきちっとはまり込んでいない関節です。筋肉と靱帯でぶら下がっているような構造です。
筋肉が血行不良を起こして過剰に牽引、短縮したりしてますと、関節の隙間を異常に狭くしたり、上腕骨と肩甲骨の関係にズレがおき、腕を挙げる筋肉(棘上筋)が、肩甲骨の一部と接触するようになります。それが原因で炎症を起こします。その炎症が周囲(肩峰下や三角筋下の滑液包など)に波及し痛みを出し腕を動かせなくします。骨盤の歪みも上腕を挙げずらくします。
③痛い方の肩を下にして寝ていた
四十肩になった人は、たいだい横向き寝をいつもしていて、さらにいつも下にして寝るほうが痛くなりやすいです。
施術は
骨盤と背骨のユガミを正し、不良姿勢を調整した後に、まず肩の筋肉の問題を取り除く施術をいたします。
まずは激痛を早期に改善するようにいたします。
夜間に激痛で目が開いてしまう方も良く寝られるようになるでしょう。
その後も骨格の歪みを正し、肩の痛みがひいたら患者さん自身に運動指導し、肩関節の可動域を取り戻して行きます。
当院では骨盤、背骨、筋肉のバランスを取り、健康であるための美しい姿勢をつくる施術をいたします。
そして持続出来るようにアドバイスをさせて頂いております。
『腕が挙らない、回らない』などすぐに御相談下さい。
五十肩に似た症状を出す病気があるので検査が大事
五十肩になると、反対側の肩も五十肩になる人が多いです。
①腱板断裂
投球などスポーツが原因だったり、高齢者では腱の老化などが原因で断裂をおこしたりします。
腕を水平位置で止めておくことが困難で、完全に断裂した場合には痛みが治まっても腕を上に挙げる事ができません。
「痛くなくなったから挙げる練習をしてください」と言われたところで、挙げるための筋肉が働きませんので無理です。
この場合は医療機関でMRIなどで検査をうけると、断裂しているかいなかはっきりします。
完全に断裂している場合は自然には治りませんので手術も検討する必要があります。
②腱板損傷
回旋筋腱板の中でも棘上筋腱を痛めるケースが多いように思えます。
棘上筋は肩を外転(腕を挙げる)させる作用があり、痛めると水平より上に挙げずらくなります。
③上腕二頭筋長頭腱炎
上腕二頭筋は力こぶを作る筋肉です。
この筋肉は上の方で二つに分かれ長頭と短頭があります。
長頭側は上腕骨の結節間溝を腱が通るのですが、ここにストレレスが加わると上腕二頭筋長頭腱が炎症をおこし痛みが出たりします。
この腱は腕を動かす動作で構造上負担が大きくなる腱です。
投球などの動作で上腕の結節間溝(上腕二頭筋の長頭腱が通る溝)においてストレスが増したりして炎症をおこします。
これはカイロプラクティックの適応症です。
身体の歪みにより肩周りのアライメントが狂っているものと考えられます。
骨盤矯正により身体の歪みが無くなれば、局所にかかるストレスが軽減されます。
よって上腕二頭筋長頭腱炎を予防できます。すでに症状のある方はストレス軽減により治りが早くなります。
④石灰沈着性腱板炎
腱板にカルシウムが沈着し炎症をおこします。
腱外のカルシウムが腕を動かした時に滑液包などを刺激して痛みを起こし炎症を出します。
なぜカルシウムが沈着するかは不明なのですが、思うに人間の身体は弱い所を補強しようとする働きがあります。
老化等で腱が弱くなってくると補強するために、弱い部分にカルシウムを沈着させ強化しようと身体がするのではと考えられます。
これはレントゲンに写ります。
⑤関節唇損傷(SLAP損傷)
関節唇とは関節窩のまわりに上腕骨頭が脱臼しないように円形の土手のようになっている軟骨です。
これが関節へストレスを受けたとき、ずれをおこす動きが繰り返しかかると関節唇が損傷し痛みを出します。
野球での投球やレスリングなどで腕を急激に引っ張られたりなどで損傷します。