ぎっくり腰(ギックリ腰・急性腰痛症・腰椎捻挫・腰部筋筋膜炎)
ぎっくり腰(ギックリ腰)とは
医学大辞典をめくってみてもギックリ腰という病名はありません。

一般的に、不自然な姿勢や不用意な動作で生じた急性、突発性の腰痛を総称してギックリ腰と呼んでいます。
腰痛が起こった直後で、その原因を明確にできない場合に、やむを得ず「ギックリ腰」というのであり「急性腰痛症」という診断名とほぼ同じ意味です。
症状は
- 激しい腰の痛み
- 急に足の痛みとしびれがでた
- 動けない
- 寝返りをするのもきつい
- 中腰がキツイ
改善法
ぎっくり腰の痛みのほとんどの原因は、「骨盤のゆがみ」により、腰の骨がずれ、その結果、腰の筋肉や筋膜が切れたり、椎間板という軟骨が傷ついたりすることにあります。激しい痛みがありますので、自分で歩けたり、車を運転できるようになったら、早めに来院して、骨盤と背骨のゆがみを調整してください。
その痛みは「早く治療しなさい!生活習慣をかえなさい!休みなさい!」という身体が発する危険信号です。
この急性腰痛発作の原因となる部位は
- 椎間板(腰の骨と骨の間の軟骨)
- 椎間関節(腰の骨と骨の間の関節)
- 靱帯
- 腰の筋肉や筋膜
- 脊椎圧迫骨折(高齢者が多い)
ぎっくり腰の救急対処法
- とにかく休む(寝ている)こと
- 座らない(ちょっとでもダメ)
- アイシング(冷却)をする。(氷かアイスノンで1時間おきに10~15分冷やすこと。一度に20分以上冷やさないように注意してください)
- うつ伏せにならない(首をひねらない)
- 一番楽な姿勢で寝る(横向きか仰向け)
- 仰向けで寝るときは膝の下に枕や毛布を入れて膝を曲げて寝る
- 起床時、車の乗り降り、立ち座り時、ズボンや靴下を履くときに十分注意する
- 風呂、飲酒、運動など身体を暖める事は禁止
- 来院時はジャージ着用の事(着替えなくてよい格好で。)
- 治療後5分間は歩くこと
- ソファーには「寝ない、座らない、近づかない」
- 寝ている時は頻繁に体勢を変えること
注意点
来院したときに腰椎椎間板ヘルニアの可能性がある場合は、提携病院へMRI検査を紹介する場合があります。
ヘルニアは20~50歳代に多く見られ、背骨と背骨の間にある椎間板(クッション)が若いうちは柔軟性に富み良く動きますが、年齢と共に硬くなったり・もろくなり、強い衝撃・重さ・無理な動きに対応できなくなったためといえます。
注意すべきは高齢者に起こった急性の腰痛です。
これは通常のギックリ腰とは異なり、骨粗しょう症が原因の脊椎圧迫骨折が生じていることが少なくありません。転倒したり、しりもちをついたりして起こることが多いのですが、骨粗しょう症の疑いがあれば、日常のなにげない動作で圧迫骨折を起こすことがあります。
◆中腰で物を持ち上げたり・急に腰を捻ったりしたときに、起こる場合が多いので寝床から起きるとき・洗面時には、要注意!