睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)の原因と、カイロプラクティックでのアプローチについて詳しく解説します。


【睡眠時無呼吸症候群の原因】

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が繰り返し止まる(10秒以上の無呼吸が1時間に5回以上)状態を指します。
大きく分けて以下の3タイプがあります:

① 閉塞性睡眠時無呼吸(OSA:Obstructive Sleep Apnea)

最も一般的で、上気道(特に喉)が狭くなったり、塞がれたりすることが原因です。

  • 肥満(首回りの脂肪)
  • あごが小さい、後退している(顎変形)
  • 舌が大きい
  • 扁桃肥大
  • 姿勢不良(猫背、ストレートネック)

② 中枢性睡眠時無呼吸(CSA:Central Sleep Apnea)

呼吸中枢の異常により、脳から呼吸命令が出なくなることで起きる。
心不全や脳血管障害などが原因の場合も。

③ 混合型

OSAとCSAが混ざったタイプ。


【カイロプラクティックでの改善アプローチ】

カイロプラクティックでは、特に閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)に対して、以下のような方法で改善を図ります:

1. 頚椎(首)のアライメント調整

  • 頚椎の歪みやズレにより、気道が圧迫されることがあります。
  • ストレートネックや猫背によって舌根が落ち込みやすくなり、無呼吸の原因になります。
    頚椎や胸椎の調整で、姿勢改善と気道の確保を目指します。

2. 顎関節(あご)の調整

  • 下顎が後方にズレていると、舌が喉側に押され、気道を塞ぎやすくなります。
    顎関節や咀嚼筋のバランスを整える施術を行い、自然な下顎位置へ誘導。

3. 胸郭(肋骨・胸椎)の可動性改善

  • 胸郭が硬くなると、呼吸が浅くなりやすいです。
    呼吸に関わる筋肉(横隔膜・肋間筋)の緊張を緩め、呼吸効率を高めます。

4. 全身姿勢の改善

  • 頭が前に出る姿勢(頭部前方位)や猫背があると、気道が圧迫されやすいです。
    骨盤・背骨の矯正を通じて、自然な立ち姿勢・睡眠時の呼吸姿勢を改善。

【期待される効果】

  • 無呼吸の頻度やいびきの軽減
  • 朝のだるさ・頭痛の軽減
  • 睡眠の質(深さ・熟睡感)の向上
  • 日中の眠気の減少
  • 集中力・記憶力の向上

※中枢性の場合は、神経内科や呼吸器科などとの連携が必要です。


【補足:医療との併用も大切】

カイロプラクティックは補助的な改善手段として非常に有効ですが、重度の場合はCPAP(持続陽圧呼吸療法)などの医療介入も必要です。
睡眠時無呼吸が疑われる方は、まずは専門医での検査(終夜ポリソムノグラフィーなど)をおすすめします。


病院での改善方法

①CPAP(持続陽圧呼吸療法)
鼻にマスクを装着し、そこから一定の空気圧を送り込むことで、気道を広げ、睡眠中の呼吸をスムーズにする治療法です。

②マウスピース
歯科で作成し、下あごを前に出すことで舌を前に出し、気道を広げる)

③外科手術
原因となる部位(扁桃腺、アデノイドなど)を摘出したり、顎を前方に移動させるなど、外科的に気道を広げる治療法