側弯症の手術

側弯症において、手術を否定しませんが、手術をしたい人は一人もいないわけで

保存療法を推奨します。側弯症の手術には、以下のようなメリットとデメリットがあります。

側弯症の手術のメリット

●側弯の矯正:
手術により、側弯の度合いを軽減させることができます.
特に進行性の場合は、手術によって湾曲の悪化を止めることができます

●見た目の改善:
背骨の曲がりが改善され、見た目が変わり、心理的ストレスが減少します.

●痛みを和らげる:
側弯症に伴う背中の痛み、首の痛み、神経の圧迫による痛みなどを和らげることができます。

●呼吸機能の改善: 重度の側弯症では、肺が圧迫されて呼吸が困難になることがありますが、
手術によって呼吸機能を改善できる場合があります。手術後、基本的に前と同じような日常生活が送れるようになります。

●生活の質の向上: 手術によって、痛みや身体的な制限が軽減され、活動レベルや生活の質が向上する可能性があります。

側弯症の手術のデメリット

●手術リスク
手術は体に大きな傷を与えるため、合併症や後遺症のリスクがあります。
特に、背骨の曲がりが大きいほどリスクが増加します
脊髄への負担や麻痺の可能性もあります。

●感染リスク:
手術では金属の器具を使用するため、感染のリスクが高くなります。
特に、基礎疾患がある患者では感染リスクがさらに高まります。

●動きの制限:
手術により背骨の一部が固定されるため、動きに制限が加わります。
特に、胸椎の固定が多くなるほど、動きの制限が増加します。
隣接する関節に大きな負荷がかかり、椎間板の傷害やヘルニアのリスクもあります。

●成長の影響:
10歳未満の患者に固定手術を行うと、骨格の成長が阻害されるため、呼吸器に影響を及ぼすことがあります。

●合併症や後遺症リスク:
手術後、背中の痛み、硬直、筋力低下などの長期的な合併症が残る可能性があります。

●手術時間と出血量:
手術時間は長く、8-10時間程度かかることがあります。
また、出血量も多くなることがあります.
手術前に自己血貯血を行うことが推奨されます.

●再手術の可能性:
場合によっては、手術の効果が不十分であったり、時間とともに湾曲が進行したりして、再手術が必要になることがあります。

●リハビリテーション負担:
手術後は、リハビリテーションに時間がかかる場合があります。

●費用負担:
手術費用は高額になる可能性があります。

●精神的な負担:
手術は、患者さんにとって精神的な負担となる可能性があります。

その他考慮すべき点

年齢と成長段階: 若年者、特に骨格がまだ成長段階にある場合は、手術によって成長が阻害される可能性があります。
湾曲の程度: 湾曲の程度が軽度であれば、手術以外の治療法(装具療法、理学療法など)で様子を見ることもあります。
健康状態: 全身状態や合併症によっては、手術が適さない場合があります。

これらのメリットとデメリットを考慮し、家族と相談し専門医のアドバイスを得ることが重要です。