子供のO脚
O脚は内反膝と言って、両側に同程度対称的にみられるときは、 O脚といいます。
赤ちゃんが⽴ち上がり、そして歩き始めるとその歩き方が気になる親や祖⽗⺟もおられますが
まずはこどもの足の形の発達過程を理解していただくことが重要です。
赤ちゃんはお⺟さんのおなかの中では足を丸めており、生まれてくる時はほとんどがO脚です。
しかし、多くの場合、歩き始めの1歳頃はまだO脚が残っています。
その後、どんどんO脚が改善し
3歳から4歳では、むしろX脚傾向となり
5歳から6歳にまっすぐな下肢になる
というのが正常の発達過程です。
したがって、1歳から2歳ごろのO脚は殆どの場合が生理的なもの(生理的O脚)であり、あまり心配することはありません。
また、O脚は膝から下が内側へねじれていることが多く、足先が内側を向く歩行をしますが、これも徐々に改善していきます。
まれですが、⾒逃してはいけないO脚もあります。
1. 程度の強いもの (お子さんを上向きに寝かせ、足の内側をくっつけ、膝と膝の間に指が3本以上入るもの)
2. 左右の膝の形が異なるもの
3. 低⾝⻑を伴うもの
1~3は
骨の先天的な病気や
膝の骨の成⻑線の障害を呈する病気
などの可能性もあります。
これらの所⾒がある場合は
まずは小児科または整形外科でレントゲンを撮るほうが良いです。
ブローント病
ブローント病(Blount病)は、膝の内側(すなわち脛骨の内側部)が異常に成長し、足の外見が弓形に曲がる疾患です。
一般に「内反膝」とも呼ばれ、幼児や若年者に見られることが多いです。以下にブローント病の主なポイントを挙げます。
主な特徴
- 膝の変形: 膝が内側に曲がり、足全体が弓状に見えるのが特徴です。
- 進行性: 放置すると症状が進行し、歩行困難や関節痛を引き起こす可能性があります。
- 片側または両側に発生: 両足に発症することが多いですが、片足にだけ発症することもあります。
種類
ブローント病は、年齢によって2つの主要なタイプに分類されます:
- 幼児型(インファントイル): 生後1〜3歳の子供に発症します。通常、早期に診断され、治療が開始されます。
- 思春期型(アドレッセント): 思春期に発症します。このタイプは遅れて診断されることが多く、より深刻な変形を引き起こすことがあります。
原因
ブローント病の正確な原因は不明ですが、以下の要因が関連していると考えられています:
- 遺伝的要因: 家族歴がある場合、発症リスクが高まることがあります。
- 肥満: 特に思春期型では、肥満がリスク要因とされています。
- 早期歩行: 生後早期に歩き始めることが、幼児型のリスクを高める可能性があります。
診断
診断は主に以下の方法で行われます:
- 臨床評価: 医師による視覚的な評価と歩行の観察。
- X線撮影: 脛骨の内側の成長プレートの異常を確認するために使用されます。
治療
治療方法は病気の進行度や年齢によって異なりますが、一般的な治療法は以下の通りです:
- 装具療法: 特に幼児型で、早期に装具を使用することで進行を抑えることができます。
- 手術: 骨の矯正手術や成長プレートの調整手術が行われることがあります。手術は通常、重度の変形がある場合や装具療法が効果を示さない場合に考慮されます。
ブローント病は早期診断と適切な治療が重要です。